おしらせ

シンポジウム「生活困窮者自立支援事業の『質』を検証する!3つの評価指標による検証事業報告会」を開催しました。

3月31日金曜日にTKP新橋カンファレンスセンターにて「生活困窮者自立支援事業の『質』を検証する!3つの評価指標による検証事業報告会」を開催いたしました。
年度末の最終日にも関わらず、お申込みは北は北海道、南は沖縄から行政の方、生活困窮者の自立相談支援事業や、就労準備支援事業等に直接携わっている方70余名の来場者をお迎えしました。
平成27年度当団体で作成した就労準備支援事業評価ガイドラインに基づくアンケート調査、厚生労働省が調査主体である「生活困窮者自立支援制度の新たな評価指標による調査」、社会福祉法人生活クラブ風の村が作成した「生活困窮者自立支援事業新アセスメント・モニタリングシートver8」の3種類の調査を同じ支援対象者に調査を実施しました。
主催者挨拶として、ユニバーサル志縁社会創造センター代表理事池田徹より就労準備支援事業評価ガイドラインは、プラン作成率や就労率、増収率などを定量的な目安値で分けたのですが、就労支援事業というのは、もう少し定性的なものも含めて事業の評価がされていかないと正しい評価にならないのではないかということで昨年度作成させていただいたことの説明などがありました。
基調報告では、「生活困窮者自立支援制度における社会的インパクト評価を活用した評価指標による調査結果報告」と題しまして、日本ファンドレイジング協会事務局長の鴨崎 貴泰にこの1年間の調査内容を報告していただきました。
本調査の背景・目的の説明があり、一つ目が支援対象者の状態を最も適切に把握する評価モデルとはどういうものなのかということを、三つの評価モデルで、同じ対象者に評価をしてみることで、そこに変化があるのか。または、事業者の皆さん、それを使っていただいた結果、どういう感想を持つのかというようなことを含めて、調査をすることで、より良い評価モデルとは何かという検証をすること。二つ目が、事業実施形態別でどんな成果の違いがあるのかというところを、事業実施形態別にパフォーマンスを比較することによって明らかにすることの説明がありました。
また、就労準備支援事業評価ガイドラインの基本的な考え方である社会的インパクト評価の説明があり、ロジックモデル(何を測るか?)、指標(何で測るか?)と測定方法(どうやってデータを集めるか?)に分けて説明があり、調査結果として3調査の比較、各調査方法を評価する際のポイントとして「評価の目的」と「評価負荷の適切性」から判断することの説明や事業実施体制別による事業成果比較と、自立項目別就労との相関分析の説明がありました。
参加者からは「各アンケートの違いや、とれぞれのメリット・デメリットなどが分かりやすくまとめられていた」「データが数値化されていて分かりやすかった」などの声がありました。
 

パネルディスカッションでは「生活困窮者自立支援法における事業評価の今後」と題しまして、各パネリストの方から15分ずつお話いただきました。
厚生労働省社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室室長補佐の髙木剛さんからは「生活困窮者自立支援のあり方に関する論点整理」について生活困窮者自立支援制度の効果(施行後2年間の状況)と今後さらなる対応を要する課題と主な論点を説明していただき、また更に、生活困窮者自立支援法の見直しについてもお話いただきました。
生活クラブ風の村生活困窮者自立支援事業統括川上 葉子さんからは就労準備支援事業ヒアリング先一覧表を用いて9つの事業所別の就労準備プラン平均期間や支援対象者特徴や課題のご説明等いただきました。
NPOスチューデント・サポートフェイス(以下S.S.F.)代表理事谷口 仁史さんからは社会的孤立・排除を生まない総合支援体制の確に向けて、アウトリーチ(訪問支援)と重層的な支援ネットワークを活用した多面的アプローチというテーマでS.S.F.の主な相談実績やアウトリーチの重要性や、アウトリーチをすることで明らかになった実態などの説明がありました。
A´ワーク創造館(大阪地域職業訓練センター)就労支援室長西岡 正次さんからは就労支援の社会的インパクトと支援拡充の課題~自治体・地域による就労支援と人材確保・開発~というテーマで自治体による就労支援の2つの側面(ソーシャルワークと一体化した就労支援と労働力開発としての就労支援)の説明や就労支援の社会的インパクトについては個別支援の向上や企業(働く現場)と連携した就労支援などの説明もあり、そして更に人材・労働力をめぐる混乱についてもお話いただきました。
参加者からは「自分達が行っている、活動(就労準備)がまちがった方向ではないことを認識できた」「支援内容をアプトプットしながら、自分達の支援を振り返っていく事が非常に重要だと改めて感じました」などのお声をいただきました。
今後もみなさまと一緒に就労支援のあり方を考えていけたらと思います。全体アンケート結果はこちら
※平成28年度厚生労働省社会福祉推進事業「就労準備支援事業評価ガイドライン検証事業」

「生活困窮者自立支援事業の『質』を検証する!3つの評価指標による検証事業報告会」案内チラシ

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